結婚相談所の成婚率には業界共通の定義がなく、分母(退会者数/在籍会員数/新規入会者数)と分子(成婚の定義)の取り方で数字が大きく変わります。そのため成婚率の数値だけで比較することはできません。この記事では数字が変わる仕組みを整理し、代わりに比較しやすい3つの指標と、無料相談で聞くべき5つの質問を示します。
「成婚率」は業界共通の定義がない
結婚相談所を比較していると「成婚率◯◯%」という数字を必ず見かけます。しかしこの数字は、算出方法が事業者ごとに異なり、そのままでは横並び比較できません。理由は、分母と分子の取り方に統一ルールがないためです。
| 分母の取り方 | 数字への影響 | 実質的な意味 |
|---|---|---|
| その年の退会者数 | 高く出やすい | 「やめた人のうち何割が成婚退会だったか」 |
| その年の全在籍会員数 | 低く出やすい | 「会員全体のうち何割が成婚したか」 |
| その年の新規入会者数 | 中間 | 「入会した人のうち何割が成婚したか」 |
| お見合い成立者など一部の会員 | 非常に高く出る | すでに活動が進んだ人だけを対象にした割合 |
同じ相談所でも、分母を「退会者数」にするか「在籍会員数」にするかで、成婚率は数倍の差になります。数字の大小だけで判断すると、実態を見誤ります。
分子(=成婚)の定義も相談所ごとに違う
もうひとつの落とし穴が「成婚」の定義です。当サイトのお見合いから成婚退会までの流れでも触れたとおり、成婚のタイミングは相談所によって次のように分かれます。
- 入籍をもって成婚とする(最も厳格)
- プロポーズ・婚約成立をもって成婚とする
- 真剣交際に入り、結婚の意思が確認できた時点を成婚とする(最も緩い)
- エクセレンス青山の評判・料金|成婚率85.7%の算出条件を検証
定義が緩いほど成婚者数は多くカウントされ、成婚率は高く出ます。成婚率を見るときは、必ず「成婚の定義」とセットで確認してください。公式サイトに定義が書かれていない場合は、無料相談で直接質問するのが確実です。
上場企業の開示に、2つの成婚数が並んでいる
「定義が違う」と言われてもピンとこないので、実際の開示資料を見てみます。株式会社IBJ(東証プライム・証券コード6071)の2025年12月通期の決算説明資料には、次の数字が記載されています。
| 項目 | 数値 | 基準 |
|---|---|---|
| 成婚組数 | 20,970組 | 2025年12月期通期 |
| 成婚組数(うち確認ベース) | 10,054組 | 同上 |
| IBJ登録会員数 | 104,859名 | 2025年12月末時点 |
| 結婚相談所数 | 4,766社 | 2025年12月末時点 |
同じ会社が、同じ期間について2つの成婚数を出しています。成婚組数と「確認ベース」の成婚組数で、約2倍の開きがあります。
この差が何を意味するかを、あえて機械的に計算してみます。年末時点の会員数104,859名で割ると、次のようになります。
| 分子に使う数字 | 104,859名で割った参考値 |
|---|---|
| 成婚組数 20,970組 | 約20.0% |
| 確認ベース 10,054組 | 約9.6% |
この2つの数値は、当サイトが公表値を機械的に割ったものです。IBJが「成婚率」として公表している数字ではありません。期中の入退会があるため、分母を年末時点の会員数にすること自体が正確ではありません。それでも、分子の取り方を変えるだけで倍近く動くことは確認できます。
広告で見かける成婚率は、この「どの分子を使い、どの分母で割るか」が示されないまま提示されていることがほとんどです。数字そのものより、その内訳が書かれているかどうかを見てください。
年齢別の成婚率は公表されていない
「30代の成婚率」「20代の成婚率」で調べる人は多いのですが、年代別の成婚率を公表している連盟・相談所は、当サイトが確認した範囲では見つかりませんでした。
参考になるのは、その手前の段階であるお見合いの成立率です。IBJ加盟相談所の解説では、年代別に次の数値が示されています(2021年時点)。
| 年代 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 20代後半 | 8.6% | 11.4% |
| 40代後半 | 4.4% | 6.0% |
成婚率そのものではありませんが、年代が上がるとお見合いの成立率が半分程度まで下がることは示されています。同じ活動量なら、年代が上がるほど結果が出にくくなるという前提で計画を立ててください。申し込み数の逆算はお見合いの申し込み|何人に申し込めばいいかで扱っています。
成婚率よりも比較しやすい3つの指標
定義が揃わない成婚率を無理に比べるより、定義がぶれにくい指標で比較するほうが実務的です。
| 指標 | なぜ比較しやすいか | 確認方法 |
|---|---|---|
| 申し込める会員数 | 加盟連盟の会員データベースの規模で決まり、解釈の余地が小さい | 「自分の希望条件で申し込める会員は何名か」を聞く |
| 月に申し込めるお見合いの上限数 | プランに明記されている数字 | 料金表・契約書面で確認 |
| 1年以内に退会した会員の割合 | 途中離脱の実態が見える | 無料相談で質問(答えられるかどうかも判断材料) |
「成婚率No.1」「業界最高水準」といった表示は、算出根拠が併記されていなければ判断材料になりません。景品表示法の観点でも、根拠のない優良誤認表示は問題になり得ます。根拠の記載がない数字は、比較から外して構いません。
無料相談で聞くべき質問リスト
- 成婚率の分母と分子はそれぞれ何ですか
- 御社での「成婚」の定義は、婚約成立ですか、入籍ですか
- 私の希望条件で申し込める会員は現在何名いますか
- 月に申し込めるお見合いは何件までですか
- 1年以内に成婚以外の理由で退会する方の割合はどのくらいですか
この5つに具体的な数字で答えられる相談所は、少なくとも自社のデータを把握しています。逆に、はぐらかされる場合はその回答自体が比較材料になります。
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良い点・気になる点
成婚率が参考になるケース
- 分母・分子の定義が公式サイトに明記されている
- 同一の定義で複数年の推移が公開されている
- 会員数など他の指標と併記されている
参考にならないケース
- 算出根拠の記載がまったくない
- 「◯◯部門No.1」のように調査主体・期間が不明
- 一部の会員だけを対象にした割合である
連盟そのものの仕組み(相談所と連盟の役割の違い、会員数を比較できない理由)は結婚相談所の「連盟」とは?で整理しています。
よくある質問
Q. 成婚率が高い結婚相談所を選べば間違いないですか?
A. そうとは限りません。成婚率には業界共通の定義がなく、分母を退会者数にするか在籍会員数にするかで数字が数倍変わります。算出根拠が明記されていない成婚率は比較材料になりません。
Q. 成婚率の分母にはどんなパターンがありますか?
A. 主に「その年の退会者数」「その年の全在籍会員数」「その年の新規入会者数」「お見合い成立者など一部の会員」の4パターンがあります。退会者数を分母にすると高く、在籍会員数を分母にすると低く出ます。
Q. 成婚率の代わりに何を見ればよいですか?
A. 定義がぶれにくい指標として、希望条件で申し込める会員数、月に申し込めるお見合いの上限数、1年以内に成婚以外の理由で退会した会員の割合の3つが比較しやすい指標です。
Q. 「成婚率No.1」という表示は信用できますか?
A. 算出根拠・調査主体・調査期間が併記されていなければ判断材料になりません。根拠のない優良誤認表示は景品表示法の観点でも問題になり得ます。根拠の記載がない数字は比較から外して構いません。
※本記事に記載したIBJの数値は、株式会社IBJ(東証プライム・証券コード6071)が公表している2025年12月通期の決算説明資料の記載によります(成婚組数20,970組/うち確認ベース10,054組/IBJ登録会員数104,859名/結婚相談所数4,766社)。会員数で割った参考値は当サイトが機械的に算出したもので、IBJが成婚率として公表している数値ではありません。年代別のお見合い成立率は、IBJ加盟相談所が公開している解説(2021年時点の数値として提示)によるものです。


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