年収や雇用形態が効いてくるのは、相手が数値で候補を絞り込む場面だけです。逆に言えば、数値で絞り込まれない場を選べば同じ条件でも会える人数は変わります。この記事では、公的統計で確認できる「年収と結婚の関係」と「年収以外で見られている項目」を整理したうえで、収入・雇用形態に不安がある人の手段の選び方をまとめます。
結論:年収が効くのは「検索条件で絞られる瞬間」だけ
マッチングアプリでは、相手はプロフィール一覧から検索条件で候補を絞ります。年収の下限を設定されていれば、写真も自己紹介文も読まれる前に候補から消えます。これは「あなたが選ばれなかった」のではなく「表示されていない」ということで、努力量では覆せません。
一方、仲人型の結婚相談所では担当者が相手に人物像を説明したうえで紹介します。婚活パーティーでは、参加条件を満たせば全員と会話できます。自治体の結婚支援では、価値観のマッチングを軸にした仕組みが中心です。同じ年収でも、「一覧から数値で選ばれる場」から離れるほど、年収の影響は小さくなります。
年収を上げる努力は当然有効ですが、成果が出るまで年単位かかります。婚活の手段を変えるのは1か月でできます。順番としては、手段の見直しを先に行うほうが合理的です。
データで見る「年収と結婚の関係」
内閣府「令和5年度 年次経済財政報告」では、30代男性の有業者について年収が高いほど未婚率が低い傾向が確認されています。また地域別の分析では、非正規雇用者の割合が高い地域ほど有配偶率が低いという関係が統計的に有意なものとして示されています。つまり、収入や雇用の安定が結婚しやすさと相関していること自体は事実です。
ただし同じ報告では、有配偶率に有意に影響する要因として教育費の高さ・家賃の高さも挙げられています。これは「本人の年収が低いから結婚できない」というより、世帯としての生活コストと収入のバランスの問題だという読み方ができます。実際、既婚男性のうち主稼得者となっている割合は年収400万円超で75%以上とされており、逆に言えば一定数の世帯では男性が主たる稼ぎ手ではありません。
事実:年収・雇用形態と有配偶率には相関がある(内閣府 令和5年度 年次経済財政報告)。
推測:この相関の一部は「世帯収入で見るかどうか」の違いによるもので、共働き前提で考えると評価が変わる可能性があります。ただし調査自体がそこまで示しているわけではありません。
年収以外で、実際に見られている項目
国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年6月実施)では、結婚相手に求める条件について次の変化が確認されています。
| 項目 | 第16回(2021年) | 前回調査 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 女性が男性に求める「家事・育児の能力や姿勢」(重視+考慮) | 70.2% | 57.7% | 大幅に上昇 |
| 男性が女性に求める「経済力」(重視+考慮) | 48.2% | 41.9% | 上昇 |
ここから読み取れるのは、「男性の年収だけが評価軸」という前提が実態から離れつつあるということです。家事・育児をどれだけ分担する姿勢があるかという軸の重みが急速に増しており、これは収入で勝負しにくい人にとって、実際に加点を取りに行ける領域が広がっていることを意味します。
プロフィールで「年収以外の材料」を出す
- 家事の実行状況を具体的に書く:「料理が趣味です」ではなく「平日は自炊、休みの日にまとめて作り置きしています」のように、生活が回っている事実として書く。
- お金の使い方を書く:年収の金額より、貯蓄の習慣や浪費しない姿勢のほうが結婚後の生活を想像しやすい材料になります。
- 今後の見通しを1行添える:「契約社員ですが、正社員登用を目指して〇〇の勉強中です」など、方向性が分かる情報を書く。
- 共働きへの考えを明示する:相手の働き方をどう考えているかは、収入以上に判断材料になります。
年収の詐称・過大申告は絶対に避けてください。結婚相談所では収入証明書の提出が求められるため発覚しますし、アプリでも交際が進む過程で必ず分かります。判明した時点で、年収の問題ではなく信頼の問題になります。詳しくは年収・学歴詐称を見抜く方法で解説しています。
収入・雇用形態が不利になりにくい手段の選び方
| 手段 | 費用の目安 | 年収での足切り | 低年収・非正規との相性 |
|---|---|---|---|
| マッチングアプリ(一般的な恋活型) | 月額数千円 | 相手が検索条件で設定可能 | 低い |
| 婚活サイト(月額制・プロフィール重視型) | 月額2,000〜4,000円程度 | 相手次第だが、文章量が多く数値以外で判断されやすい | 中〜高い |
| 結婚相談所(仲人型) | 年間30万〜60万円程度 | 入会審査あり。基準は相談所により異なる | 高い(費用が許せば) |
| 自治体の結婚支援 | 登録料無料〜1万円台 | 基本的に居住・勤務要件のみ | 高い(費用面で最有力) |
費用を抑えつつ「数値で足切りされにくい場」を求めるなら、まず検討したいのが月額制の婚活サイトと自治体の結婚支援です。
月額制の婚活サイトという選択肢
たとえばIBJが運営するブライダルネットは、公式サイトの料金ページによると月会員プランが月額3,980円、年会員プランが月額換算2,000円(年額24,000円)で、機能は制限されるものの期限なしで使える無料のトライアルプランも用意されています(いずれもWeb版の税込価格。アプリ経由の決済は金額が異なります)。結婚相談所と比べれば費用は1桁小さく、恋活型アプリと比べれば結婚を前提とした利用者が中心という位置づけです。
自治体の結婚支援は費用面で最有力
都道府県・市区町村が運営する結婚支援センターは、登録料が無料〜1万円台と圧倒的に安く、年収での足切りも基本的にありません。ただし対象エリアの居住者・在勤者に限られること、会員数が民間サービスより少ないことがデメリットです。詳しくは自治体の結婚支援サービスまとめを参照してください。
年収そのものを動かすには時間がかかります。並行して進めるなら、講座費用の一部が支給される制度から確認するのが現実的です(教育訓練給付金の対象になる資格の一覧/姉妹サイト「資格ひろば」)。婚活と並行するか先に片づけるかは、活動できる期間から逆算して決めてください。
結婚相談所は「入会できないのでは」と諦める前に確認する
「非正規だと相談所に入れない」と考えている人は少なくありませんが、入会条件は相談所ごとに異なり、一律の基準はありません。独身証明書・身分証明書・(男性の場合)収入証明書の提出を求めるのが一般的ですが、収入の下限額を設けているかどうか、下限がいくらかは各社の判断です。
したがって「入れるかどうか」は、実際に複数社の入会条件を確認しないと分かりません。1社ずつ問い合わせると時間がかかるため、条件をまとめて比較できる無料の一括診断・資料請求を使うのが効率的です。詳しい仕組みと注意点は結婚相談所の一括資料請求はどこがいい?で整理しています。
3か月の進め方
- 1か月目:写真を撮り直し、自己紹介文に「家事の実行状況」「お金の使い方」「共働きへの考え」を各1〜2行で追記する。年収欄は正確に記入する。
- 2か月目:数値で足切りされにくい場(月額制の婚活サイト、自治体支援、または相談所)を1つ追加し、並行して活動する。
- 3か月目:「メッセージまで進んだ数」と「会えた数」を分けて記録する。会えた数が極端に少なければ場所の問題、会えているのに続かなければ会話・条件提示の問題と切り分ける。
よくある質問
Q. 年収300万円台だと結婚は難しいですか?
A. 内閣府「令和5年度 年次経済財政報告」では、30代男性の有業者について年収が高いほど未婚率が低い傾向が確認されており、収入と結婚しやすさに相関があること自体は事実です。ただし同じ報告では家賃や教育費の高さも有配偶率に影響しており、世帯としての収支バランスの問題という側面があります。年収だけで結論は出ません。
Q. 非正規でも結婚相談所に入会できますか?
A. 入会条件は相談所ごとに異なり、一律の基準はありません。収入の下限を設けている相談所もあれば、独身証明書と身分証で入会できる相談所もあります。複数社の入会条件を比較して確認するのが確実です。
Q. プロフィールの年収は少し多めに書いてもいいですか?
A. 避けてください。結婚相談所では収入証明書の提出が必要なため成立せず、アプリでも交際が進めば必ず分かります。判明した時点で年収の問題ではなく信頼の問題になり、回復が困難です。
Q. 年収以外で加点になるのはどんな点ですか?
A. 第16回出生動向基本調査(2021年)では、女性が男性に求める条件のうち「家事・育児の能力や姿勢」を重視・考慮する割合が70.2%と、前回の57.7%から大きく上昇しています。生活を自分で回せていることを具体的に示すのが、現在もっとも評価されやすい材料のひとつです。
Q. 費用をかけずに始められる手段はありますか?
A. 自治体が運営する結婚支援センターは登録料が無料〜1万円台で、年収による足切りも基本的にありません。対象エリアの居住者・在勤者に限られる点と、会員数が民間より少ない点がデメリットです。


コメント