「年収が高いと結婚しにくい」という前提は、統計の動きと逆行しています。実際に候補の数を決めているのは自分の年収ではなく、「相手に求める年収条件」をどう設定しているかです。この記事では公的データで前提を検証し、実際に論点になる3点を整理します。
データで見る前提の変化
内閣府「令和7年版 男女共同参画白書」によると、世帯の形は次のように変化しています。
| 世帯の型 | 昭和60年(1985年) | 令和6年(2024年) |
|---|---|---|
| 男性雇用者と無業の妻から成る世帯 | 936万世帯 | 228万世帯 |
| 妻がパートタイム就業の共働き世帯 | 約200万世帯 | 約700万世帯 |
同白書では、妻がフルタイムで働く世帯数について「400〜500万世帯と横ばいで推移してきたが、近年増加傾向にある」とも記されています。専業主婦世帯は40年で4分の1以下に減りました。「女性は働かないほうが結婚しやすい」という前提が成り立っていた時代の構造は、すでに残っていません。
結婚相手に求める条件の側でも変化が確認できます。国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年6月実施)では、男性が女性に求める条件のうち「経済力」を重視・考慮する割合が48.2%(前回調査41.9%)に上昇しています。
同白書では、18〜34歳の未婚女性が理想とするライフコースについて、令和3年時点で「両立コース」(仕事を続ける)が34.0%で最も高いとされています。女性側の希望としても、働き続けることが主流になっています。
不明:女性の年収階級別の有配偶率や、「高収入の女性は結婚しにくい」という主張を裏づける公的な統計は、今回の調査では確認できませんでした。この主張は広く語られていますが、当サイトでは根拠として使いません。逆に「高収入だと有利」と断定することもしません。確認できるのは、専業主婦世帯の減少と、男性側が経済力を重視する割合の上昇という2つの事実のみです。
実際に候補を減らしているもの
婚活で行き詰まる場合、原因は自分の年収ではなく相手に求める年収条件であることが多くあります。無意識に「自分と同等以上」を基準にすると、次のようなことが起こります。
| 自分の年収 | 「自分以上」を条件にすると | 起きること |
|---|---|---|
| 400万円台 | 男性の一般的な水準の範囲内 | 大きな制約にはならない |
| 600万円台 | 男性側でも上位の層が対象になる | 候補は絞られるが残る |
| 800万円以上 | 男性側でもかなり限られた層だけが対象になる | 候補が大きく減り、その層は競争も激しい |
ここで重要なのは、「自分以上」という基準を無条件に採用する必要があるのかを一度考えることです。世帯収入で考えるなら、相手の年収が自分より低くても世帯としては十分成り立ちます。相手の年収を絶対条件にするか優先条件にとどめるかで、活動期間は大きく変わります。条件の整理は婚活で条件はどこまで妥協すべき?で扱っています。
逆に、高年収の男性を明確に希望する場合は、その層が集まる場を選ぶほうが効率的です。ハイスペック婚活|高年収・エリート層と出会うための選び方で手段を整理しています。
論点になるのは年収の額ではなく「働き方の合意」
実際に交際が進んでから問題になるのは、年収の金額そのものではありません。結婚後にどう働くかです。ここを曖昧にしたまま進めると、条件が合っていたはずの相手と後半で行き詰まります。
- 働き方をどうするか:今の職を続ける前提か、状況によっては変えるのか。転勤や異動の可能性はあるか。
- 家事の分担:収入が多いほうが家事を減らすのか、収入と家事は切り離すのか。ここは金額ではなく方針の問題です。
- 家計の管理:収入を合算するのか、共通口座+各自の枠に分けるのか。差がある場合の負担割合をどうするか。
- 子どもを持つ場合の働き方:どちらがどれだけ時間を割くのか。
- 転居の可否:自分の仕事の都合で相手が動けるのか、逆はどうか。
この5点は交際を決める前後に一度話しておくと、後半での破談が減ります。年収の話をしにくいと感じる場合でも、「働き方の話」として切り出せば自然に扱えます。
プロフィールでの書き方
- 年収欄は正確に書く:結婚相談所では収入証明で確認されますし、低く書いても交際が進めば分かります。
- △「収入は自分でなんとかできるので、気にしないでほしいです」——相手に配慮を求める形で、かえって身構えさせます。
- ◎「仕事は続けたいと思っています。家事は分担したいので、お互いの働き方を尊重できる方だと嬉しいです」——事実と方針で、判断材料になります。
- 肩書や実績を並べすぎない:自己紹介文が経歴書のようになると、生活のイメージが伝わりません。休日の過ごし方や家事のことを同じ分量で書いてください。
年収や職業を実際より低く書くことは避けてください。結婚相談所では書類で確認されますし、生活が始まれば必ず分かります。判明した時点で年収の問題ではなく信頼の問題になります。
会話で気をつけること
- 自分から年収の話を持ち出さない:プロフィールに書いてあれば十分です。
- 相手の年収を確認するときは、金額ではなく生活設計として聞く:「結婚後の生活はどんなイメージですか」のほうが、金額を尋ねるより情報が得られます。
- 仕事の話を「大変さ」に寄せない:忙しさの話が続くと、結婚後の生活が想像しにくくなります。仕事と生活が両立している様子が伝わるほうが加点になります。
- 相手が引け目を感じる発言に敏感になりすぎない:先回りしてフォローしすぎると、かえって差を意識させます。淡々と扱うのが最も自然です。
手段の選び方
| 手段 | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 結婚相談所(仲人型) | 高い | 年収・職業が書類で裏づけられ、働き方の希望を担当者経由で事前に伝えられる。相手も結婚前提 |
| 婚活サイト(記述量が多い型) | 高い | 働き方や家事分担の方針まで自分の言葉で書ける |
| マッチングアプリ | 中 | 年収欄は自己申告で、条件のすり合わせが会ってからになりやすい |
| 婚活パーティー(年収条件つきの回) | 中 | 相手の年収帯は絞れるが、働き方の合意までは確認できない |
この論点で相談所が有利なのは、年収が書類で裏づけられていることと、「結婚後も仕事を続けたい」という希望を担当者が事前に相手へ伝えられることの2点です。働き方の希望が合わない相手とのお見合いが最初から組まれないため、同じ説明を何度も繰り返す消耗が起きません。
費用を抑えて始めたい場合は、自己紹介欄が広く働き方の方針まで書ける月額制の婚活サイトから試す方法もあります。IBJが運営するブライダルネットは、公式サイトの料金ページによると月会員プランが月額3,980円、年会員プランが月額換算2,000円(年額24,000円)で、機能は制限されるものの期限なしで使える無料のトライアルプランも用意されています(Web版の税込価格。アプリ経由の決済は金額が異なります)。
よくある質問
Q. 年収が高いと本当に結婚しにくいのですか?
A. それを裏づける公的な統計は確認できませんでした。確認できるのは、内閣府「令和7年版 男女共同参画白書」で専業主婦世帯が昭和60年の936万世帯から令和6年の228万世帯へ減っていること、そして第16回出生動向基本調査で男性が女性に求める「経済力」の重視・考慮割合が48.2%(前回41.9%)に上昇していることの2点です。前提となる構造は変化しています。
Q. 候補が少ないと感じるのはなぜですか?
A. 自分の年収ではなく、「相手に自分と同等以上の年収を求める」という条件設定が効いている場合が多くあります。年収800万円以上の方が「自分以上」を条件にすると、男性側でもかなり限られた層だけが対象になります。絶対条件にするか優先条件にとどめるかを意識的に決めてください。
Q. 交際が進んでから問題になるのは何ですか?
A. 年収の金額ではなく「結婚後にどう働くか」です。働き方を続けるのか、家事の分担をどうするか、家計をどう管理するか、子どもを持つ場合の働き方、転居の可否——この5点を交際を決める前後に話しておくと、後半での破談が減ります。
Q. プロフィールの年収は低めに書いたほうがいいですか?
A. 避けてください。結婚相談所では収入証明で確認されますし、生活が始まれば必ず分かります。判明した時点で年収ではなく信頼の問題になります。正確に書いたうえで、働き方の方針を1行添えるのが効果的です。
Q. どの手段が向いていますか?
A. 仲人型の結婚相談所です。年収・職業が書類で裏づけられ、「結婚後も仕事を続けたい」という希望を担当者が事前に相手へ伝えられるため、働き方が合わない相手とのお見合いが最初から組まれません。
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